■「エッ!」マーガリンに?■
健康やダイエットとの関わりから、脂肪の取り方を気をつけて
いる方々も多くなっているようですが、マーガリンやマヨネーズ・
ショートニング等に含まれる「トランス脂肪酸」が健康に悪い影響を
与えることが最近の研究でわかって来たようです。

「エッ!」
若い頃は、マーガリンをパンに塗って食べたり、調理をするときに
バター代わりに使ったりしてたのでドッキリ。
当時「バターはコレステロールを上げる飽和脂肪酸が多いので、
植物油からできているマーガリンを食べたほうが良い」という説があり、
マーガリンのほうが健康に良いのならと今まで思っていました。
しかも「トランス脂肪酸」はマーガリンだけでなく実に多くの食品に
含まれているのを知り、ビックリ。

マヨネーズも人気のある食材で、様々な料理に使われたり、
上からかけたりするのを好む人達が増えているようなので
とり過ぎに気をつけたほうがいいみたいですね。
ショートニングは、わりときづきにくいのですが、パンやお菓子類に
含まれていることが多いので、知らないうちに食べてしまっているようです。
■「トランス脂肪酸」って?■
では「トランス脂肪酸」はどういう脂肪酸かというと、分子構造の二重結合の一部が
トランス型になった脂肪酸で、天然不飽和脂肪酸ではこの型はほとんどなく、
二重結合はシス型と呼ばれる形をしているそうです。
常温で液体である油脂(例えば植物性油脂)を固形化するために、油脂を加工する時に

水素添加を行うことがありますが、その水素添加により出来るのがこの
「トランス脂肪酸」です。
また、それだけではなく、油を高温に熱したときにも「トランス脂肪酸」が
できる可能性があるので、揚げ物にも「トランス脂肪酸」が潜んでいて、
反芻動物の肉(例:牛肉)や乳脂肪中にもあるそうです。
■「トランス脂肪酸」は、主にどんな食品に含まれてるの?■
日常、摂取している様々な油脂の約4分の3に含まれていると言われている
「トランス脂肪酸」ですが、代表的な例を上げてみると
○オイル類
マーガリン、マヨネーズ、ピーナツバター、コーヒーのクリーム等
《「コレステロールを下げる」『体脂肪がつきにくい』と宣伝されている
加工油の中には、「トランス脂肪酸」が約5%も含まれている例もあるので注意。
表示上は「植物油」です。》

○インスタント・レトルト類
カップヌードル、インスタント・ラーメン、レトルトカレー、カレールウ等
○冷凍食品類
から揚げ、コロッケ、ピザ、ケーキ等
○お菓子類

ポテトチップス、クッキー、クラッカー、ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、
菓子パン、ドーナツ等
《トランス脂肪酸が含まれているショートニングが使われているケースが多いので
商品に記載されている表示を注意…食品100グラム中のトランス脂肪酸の含有量では
マーガリンが平均7グラムなのに対し、ショートニングは平均13.6グラム。

(食品安全委員会調べ)》
○ファーストフード&ファミリーレストラン
フライドポテト、チキンナゲット、フライドチキン、パイ等
◇日本の食品に含まれる総脂肪酸中のトランス型脂肪酸の平均割合
マーガリン 13.5%

バター 4.1%
チーズ 5.7%
牛乳 4.5%
食パン 9.3%
ドーナツ 0.8〜23.9%

フライドポテト 0.8〜19.5%
レトルトカレー 6.2%
牛肉バラ 4.9%
牛肉ヒレ 2.7%
(日本食品油脂検査協会調べ)
ずいぶんたくさんの食品に「トランス脂肪酸」が含まれている可能性が
あるのは、驚きです。
■「トランス脂肪酸」の健康への影響は?■
「トランス脂肪酸」を含んだ食べ物を食べるとどうなりやすいかと言うと、
動脈硬化、心臓疾患、認知症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、
気管支炎、糖尿病、ガン、不妊、子供の発達障害などに影響があるそうです。
以下に、「トランス脂肪酸」の健康への影響について海外の対応を
書き出してみます。
米国神経学会では、トランス脂肪酸の取りすぎと「認知症」の発症確率の
増加には関連あり、という論文も発表され、トランス脂肪酸は動脈硬化の
原因になり、心臓発作の増大を招くからという理由で、アメリカでは、
2004年1月から規制を始めています。
またアメリカでの中年〜老年の健康な女性を対象とした疫学調査で、
トランス脂肪酸の摂取量が多い群ほど体内で炎症が生じていることを示す
CRPなど炎症因子や細胞接着分子が高いことが示され、研究者は動脈硬化症
の原因となる動脈内皮での炎症を誘発している可能性を指摘し、
炎症因子についてはアトピーなどのアレルギー症へ悪影響をおよぼす疑いが
あると報告しています。
オランダの研究では、精製油に含まれているトランス脂肪が、
飽和脂肪酸と同様に悪玉コレステロールといわれる低比重リポ蛋白質を
増やし、善玉コレステロールの高比重リポ蛋白質を減らすと指摘し、
虚血性心疾患の発症と認知機能の低下に影響を与えるとされています。
2003年のWHO / FAOのレポートでは、トランス脂肪酸は心臓疾患の
リスク増加との強い関連が報告され、また摂取量は全カロリーの1%未満
にするよう勧告されています。
海外では、研究が進みそれなりの対応が為されているようです。
■「トランス脂肪酸」を巡った海外での動向■
海外での動向をピックアップしてみました。
○アメリカ
アメリカでは、2003年5月に、スナック菓子製造業者 K に
対して、トランス脂肪酸を使わないように求める訴訟が起こされ、
製造業者が代替品を見つけると約束したことで取り下げられた。
その後、2003年7月11日、アメリカ食品医薬品局 (FDA) が新しい
栄養ラベルの規定を発表。
一食 (one serving[18]) あたり0.5g以上のトランス脂肪酸を含む
加工食品や一部の栄養補助食品に関してトランス脂肪酸量を表示する
ことを規定し、トランス脂肪酸量の表示を2006年1月1日から義務づけた。
米ハンバーガー店チェーン大手Mは、フライドポテトなど
揚げ物に使う油を健康に配慮した新タイプに切り替えると発表しながら
実施が遅れたことを同社が適切に公表しなかったとされる訴訟で、
和解金など計約850万ドル(約9億円)を支払うと先月
(2005年2月)までに発表。
2007年、米国のフライドチキンチェーンKやカフェチェーンSなどの大手でも、
トランス脂肪酸の含量の少ない油脂への切替を始めていますが、
同じチェーンでも日本国内の店舗は対象外の場合がほとんど。
2007年12月よりドーナツチェーンMでは油脂そのものを切り替える
だけではなく、原材料中に含まれる油脂も改善し、大幅にトランス
脂肪酸量を削減したと発表。
また2008年3月前後から高熱によるトランス脂肪酸の増加についても
厳しく管理。
2006年12月、ニューヨーク市は市内の飲食店におけるトランス脂肪酸の
使用規制を決定した。
2007年7月から、1食あたりの調理油やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸を
0.5g以下とする規制が施行され、違反者には最高2,000ドルの罰金が科せられます。
2008年7月25日、カリフォルニア州において州レベルで初めて使用禁止を
決定し、違反した場合25〜1000ドルの罰金が科せられます。
○カナダ
カナダでは、他国に先駆け、2003年1月1日よりトランス脂肪酸量を
栄養ラベルの項目に加えることを決定、2005年12月12日に表示を義務化した。
○イギリス
摂取カロリーのうち、30%以下(WHO平均所要脂質量換算で66g/日)を
脂質に、その中でもトランス脂肪酸を2%以下(同、1.3g/日)にするように勧告
○デンマーク
2003年に食品中のトランス脂肪酸の量を全脂質の2%までとする罰則規定
のある行政命令を制定し、2004年より施行された。
■ところで日本では?■
日本では一部の企業がトランス脂肪酸低減に取り組んでいる程度で、
「日本ではトランス脂肪酸の摂取量が少なく、健康への影響は小さい」
ということから、政府や地方自治体、業界団体は規制を行っていない
ようなのです。
しかし、メタボリック・シンドロームが社会的にも大問題ともなり、
身の回りを見回しても最近は欧米型に近い食生活をしている方々が以前に
比べ、急増しているように見受けます。
何よりも子供達が、知らないで、たくさんのお菓子やパンを食べ、
アトピー性皮膚炎や気管支炎になっているかも知れないと思うと、
また、忙しくなった大人が、食卓にインスタント・レトルト食品を並べ、
動脈硬化、心臓疾患、認知症等になりやすくなっているとしたら
ほっておけません。
知らないですでに、もう食べてしまって来ていることが何より辛いですが、
これ以上、健康に悪い影響があると思われることを、まず生活の知恵で防ぐように
することがたいせつだと思います。
そして現在、不況が騒がれてる折り、みなさん経済対策で忙しいようですが、
健康は命の問題。何とか、政府や地方公共団体・業界の方々に早急に調査をすすめ、
改善策を立てて下さるようにお願いしたいと思います。
また、現在「エコ」が新しいビジネスチャンスの第一キーワードとなっているように、
「ヘルシー・フード」もビジネスチャンスのキーワードと成りつつある時代と思います。